7/9(月) おいかぜ、Marble.co、アーキテクトタイタン3社による合同の勉強会を行いました。今期、初回は校正・校閲について鴎来堂(おうらいどう)の柳下恭平(やなした きょうへい)さんから学びました。
テーマは「読書と校閲」
①校閲とは?
②校閲する上での間違いの種類
③誤解がないよう表現する方法・技術
校正・校閲って何?というところから始まり、実際のプロの校閲のやり方や赤入れの判断基準など基本的なことから誤解を招かない表現方法までを教えていただきました。校閲と一言で言っても、書籍などの印刷物を見るだけではなく、私たちが普段行なっているWeb関連業務にも深く関わっていることも織り交ぜながらお話していただき、幅広い勉強会となりました。
そもそも校閲とは?
一言で言うと「間違いを見つける技術」のこと。間違いには誤字・脱字や整合性を一致させるなど様々な種類がありますが、その間違いを見つけるために大事なことは2つあります。それは「ひと文字ずつ読むこと」と「集中力を一定に保つこと」です。この二つは簡単そうに見えて、実は難しいことです。
私たちは普段の生活の中で、情報を「ひと文字」として認識しようとはせずに、「ひとかたまり」で認識しようとします。これは脳の癖のようなもので、なかなか意識づけがないと「ひと文字ずつ読むこと」は難しいです。また、すでに私たちの頭の中には、日本語の知識・語彙が入っているため、多少文字の順番が間違っていても認識できるようになっています。
例えば、
「ブリヨルガグールアト」
一瞬、ん?と思うかもしれませんが、なんとなく、
「ブルガリアヨーグルト」
に見えますし、なんとなく理解できますよね?
不思議なことに、日本語をネイティブで話せたり、日本語に慣れている人であれば、最初と最後の文字が正確であれば、中の文字が多少ずれていても、文章は読むことができると言われています。普段からひとかたまりで読む癖がついているので、ひと文字ずつ読むのはやはり難しいですね。集中力も同様に、一定の集中力をずっと何時間も維持するのは難しいこと。特にデザイナーやエンジニアはもくもくと作業をすることが多いため、ほとんどの参加者が頷いていました。
そして、柳下さんは「作業中に集中力が途切れても自分のせいだと思わないでください。」ともお話しされました。
集中力が落ちるのは精神的なものではなく、環境的な影響が大きく、周りの音や、気温、時間帯など様々な環境のせいで集中が途切れてしまうことが原因と言われており、決してその人のせいではないということです。その集中力を途切れさせないためにも、100%の力をはりつめるのではなく、自分が「どれくらいの集中力を持ってるか把握し、それを一定に維持すること」が大事だとアドバイスをいただきました。
最後に、私たちの業界のみならず、気をつけなければならない「誤解を招かない表現」について。
昨今様々な媒体で誤解を招く表現で炎上したり、制作物に対して物議を醸すことが多々あります。私たちの普段の仕事内容も例外ではありません。柳下さんはそれに対して規制するのではなく、この時代にどんな事で炎上しているのか知ることが大事だと話します。物によってはユーザーも違えば、制作された時代も違います。そのことを考慮した上で「人が現代において何に嫌悪感を感じるのか」、知っておけば大きな盾になると、アドバイスをいただきました。
勉強会の後には昼食会を兼ねた交流会が行われ、美味しい料理を食べながら勉強会の内容や、仕事の話などで盛り上がっていました。
今回はマーブルの智恵光院オフィスで開催され、併設されているカフェマーブルからオードブル料理を提供してもらいました。
参加者の声の中にはWebの校正・校閲は普段、個人が我流で行なっていることが多く、専門家がどのように行なっているか知れて良かった!という意見やWebでの表現方法について自分たちも気をつけていきたいなどの声がありました。今回の学びを、仕事の中でも多角的に生かしていきたいと思います。
次回、9月にNueinc.松倉早星(まつくら すばる)さんを講師としてお招きし、企画・アイデアの勉強会を行う予定です。引き続き、次回の勉強会の様子もブログで報告させていただきますので、今後とも宜しくお願いします。